鄙びた空気だった。

静寂は時折自分自身の些末さを
気付かせてくれる事がある。
都会は確かに華やかな時間を持ち、
便利さというモノを
与えてくれるけれど、
息をつく暇もない慌ただしさに
くたびれてしまう。
時間を金で買う様な感覚は
ざわめきの中でさえ
時に孤独を感じさせる。

通過していくだけの旅人は
何もない事に安らぎを感じ、
そこに住む者は
華やぎに心を奪われる。

何処まで行っても
心の閉塞感は消えないんだろうか?
僕はまた溜息をつく。