無人駅に、特急列車は止まった。
ホームの待合いに少年が一人。
意味もなく、きっちりと
窓枠通りに切り取って
シャッターを押す。

海沿いを走っていた筈の鉄道は、
遠く埋め立てられて、
耕作地と荒れ地とが入り交じった
景色の中をただ走っているばかりだ。